Box Office : 1月12日～14日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第2位

スピルバーグ監督とトム・ハンクスの名コンビが、メリル・ストリープを主演女優に迎えたタイムリーな実話映画の傑作「ザ・ポスト」が、スクリーンの数を拡大して、第2位まで急浮上の大躍進 ! !

第2位 (15) 「ザ・ポスト」(5,000万ドル)

$18,600,000−(2,819館/$6,598)−$23,089,237

TV Trailer : The Post

★RT支持率は評論家 88 % , 観客 70 % / Metacritic スコア 83 / 出口調査の CinemaScore A

物語の舞台こそ、今から約47年前の1971年に設定されていますが、インチキな大統領とウソの偽ニュースの蔓延、そして、世の中を正す女性の力強い存在感という映画のテーマは、まさに現代を反映したタイムリーなものと言えるスティーヴン・スピルバーグ監督の社会派の実話映画「ザ・ポスト」を拡大公開した20世紀FOXが、この週末の3日間に売り上げる金額を約1,860万ドルと発表し、先週の第15位から一気に第2位にまで浮上する躍進を果たしました…！！

今春3月4日（日）に授賞式が行われる第90回アカデミー賞にエントリーできる資格を得るために、昨2017年末の12月22日に限定公開で封切られた「ザ・ポスト」は計9館でのオープニング成績が約52万6,000ドルというヒットでしたが…、

多数の映画賞にノミネートされたり、受賞もするなどしたことで、オスカー有力候補として注目の高まったタイミングでの全米拡大公開の結果の1,860万ドルというのは…、

スピルバーグ監督とトム・ハンクスがコンビを組んだ前作にして、やはり、社会派の実話映画だった「ブリッジ・オブ・スパイズ」（2015年）のオープニング成績＝1,537万ドル（2,811館）を凌いだものとなっています…！！

よって、FOXとしては、同じく女性が活躍した実話をもとにした「ヒドゥン・フィギュアズ」を一昨年の2016年末に限定公開で封切り、オスカー有力候補として、口コミが高まった年明けに拡大公開へと転じた結果、約1億6,961万ドルもの大ヒットになったサクセスをくり返そう！！という狙いが、見事に再び、功を奏するかもしれないわけですが、しかし…、

Featurette : Director Steven Spielberg's Vision

「ヒドゥン・フィギュアズ」は最優秀作品賞を含め計3部門でオスカーにノミネートされたものの、ひとつも受賞できず、手ぶらで帰るハメとなっています…。それで「ザ・ポスト」はと言うと…、

Related: PGA Awards :「ワンダーウーマン」が、アカデミー賞の最優秀作品賞にノミネートの可能性が濃厚になった ! !、オスカー作品賞の候補作の発表も同然の第29回PGA賞のノミネートを発表 ! !

オスカーの最も重要な前哨戦のうち、PGA賞では最優秀作品賞の候補にあげられたものの、スピルバーグ監督がDGA賞の最優秀監督賞にはノミネートされなかったことや、英国アカデミー賞では無視されてしまったこと、そして、困ったことに…、

ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の最優秀作品賞を受賞してしまったばかりか、トム・ハンクスが最優秀男優賞に選ばれ、メリル・ストリープが最優秀女優賞の3冠！！という厄がついてしまっています！！

実際のところ、単に素人が選んだようなものに過ぎないナショナル・ボード・オブ・レビュー賞には権威はなく、ここで最優秀作品賞に選ばれてしまうと、オスカーの最優秀作品賞はまず獲れない！！という裏目の意味において、オスカーの前哨戦？！になってる賞ですから、「ザ・ポスト」が仮りに来週の火曜日＝1月23日に発表される第90回オスカーの最優秀作品賞にノミネートされたとしても、現実に受賞できる可能性は低いだろう…ということになります…。

なので、「ヒドゥン・フィギュアズ」のヒットのパターンはくり返せるかもしれませんが、同映画と同様にアカデミー賞では敗退…という結果まで、くり返されてしまうかも…？！、しかし、他にもオスカー有力候補の「ザ・シェイプ・オブ・ウォーター」と「スリー・ビルボーズ・アウトサイド・エビング, ミズーリ」を抱えているFOXとしては、両映画が興行的に振るっていないことも踏まえると、製作費が特に安いわけではない「ザ・ポスト」は賞を獲るよりも、ヒットの方が大事！！ということになるかもしれませんね…！！

Movie Clip : Hypothetical Question