Box Office : 2月23日～25日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第4位

SF映画の通と評論家が絶賛の一方、普通の観客はブーイングの賛否が大きく分かれたナタリー・ポートマン主演の「全滅領域」の映画化「アナイアレイション」が、覚悟されていた通り振るわない成績の初登場第4位 ! !

第4位 (初) 「アナイアレイション」(4,000万ドル)

$11,000,000−(2,012館/$5,467)−$11,000,000

Trailer : Annihilation

★RT支持率は評論家 87 % , 観客 64 % / Metacritic スコア 80 / 出口調査の CinemaScore C

監督デビューの第1作めにして、いきなり、SF映画の歴史に名を残すことになった「エクス・マキナ」（2015年）では、美女型人工知能の甘美な恐怖を通し、あらためて、「ひと」とは何なのか？！を問いかけていたようなアレックス・ガーランド監督が、オスカー女優のナタリー・ポートマンを主演に起用して、再び本格SFタイプの野心的な映画作りに挑んだ第2作め「アナイアレイション」の週末3日間の売り上げは、どうにか、1,000万ドル台に乗っかった約1,100万ドルと、パラマウント映画が発表しました…！！

この世界に出現した謎の領域の〈ザ・シマー〉、つまり、〈ギラギラのゆらめき〉とは何なのか？！、どうして、そこでは生態系が時に美しく、また時には、おぞましい姿に突然変異をするのか？！、そのミステリアスな物語の設定をどういう意味に解釈するのか？！によって、映画の見方や、評価が大きく分かれてしまう…という点においては、パラマウント映画が昨2017年の初秋に封切ったジェン主演の異色のホラー映画「マザー！」と同様の実験的な作品に位置づけられる「アナイアレイション」ですが…、

天才ダーレン・アロノフスキー監督のオリジナル映画が売り上げられた封切り成績が、わずか753万ドル（2,368館）の沈没だったのと比べると、「アナイアレイション」は、ネビュラ賞などを受賞したジェフ・ヴァンダミア著の同名小説が下敷きになってるだけに、その知名度にも支えられて、特に酷い結果にはならなかったようですし、1館あたりの売り上げでは、5,467ドルを稼いだアレックス・ガーランド監督は、Top10の中では、第1位「ブラック・パンサー」に次ぐ、集客力を発揮してくれたことになっています！！

Movie Clip : 恐ろしい突然変異の本編シーンです ! !、グロいので、気持ち悪いものを観たくない方は再生しないで下さい。

また、出口調査の評価が、サイテーの金返せレベルの " C " であることからも、けして、娯楽的なSFスリラーではなく、難解な部分のある深淵な「アナイアレイション」は、むしろ、アート・フィルムだけに、ハナから一般ウケしないとわかっていた製作者たちは、諸外国での配給をあきらめ、Netflix に委ねることで、製作費を回収していますから、約1,100万ドルの封切り成績は、あらかじめ低い期待にそった充分な金額と言えそうです…！！

Movie Clip : Bear Takes Sheppard